【徹底議論】一生モノのローファーを考える。名作靴を履き分けて辿り着いた、今の答え。

「その一足を、30年後の自分に」 ブログのコンセプトとして掲げているこの言葉を、一番シンプルに体現してくれるのがローファーかもしれません。

紐靴ほど堅苦しくなく、スニーカーよりもずっと大人っぽい。 そんなローファーは、私たちのライフスタイルに一番馴染む靴ですが、いざ「一生モノ」を決めようとすると、これほど悩ましい選択もありません。

今回は、筆者が愛用している3足――Alden 99361Crockett & Jones キャベンディッシュ2、そしてJ.M. WESTON 180。 それぞれの歴史や特徴を整理しながら、一人の靴好きとして辿り着いた「今の答え」を綴りたいと思います。


目次

1. 三つのブランドが持つ、それぞれの「正解」

まずは、それぞれの靴がどのような背景で作られているのか、その成り立ちから見ていきます。

Alden(オールデン):アメリカの質実剛健な道具

1884年にマサチューセッツ州で創業したオールデン。もともとは足のトラブルを解決するための「矯正靴」からスタートしたブランドです。 そのため、彼らの作る靴には「歩くための道具」としての工夫が詰まっています。今回紹介する99361靴に採用されている「ヴァンラスト」の、どこか愛嬌のある無骨なフォルムは、アメリカントラッドの象徴とも言えます。

Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ):英国の伝統と美意識

1879年、靴の聖地ノーザンプトンで誕生したクロケット。世界中の名だたるブランドの靴を代わりに作ってきた歴史があり、その技術力は折り紙付きです。 イギリス靴らしい伝統を守りつつも、今のファッションに合うスマートなシルエットを形にするのが非常に上手い。今回紹介するキャベンディッシュ2は、まさにそのバランス感覚の結晶です。

J.M. WESTON(ジェイエムウエストン):フランスの不変のスタンダード

1891年創業のウエストンは、フランスを代表する老舗です。自社でソールのなめし工場を持つなど、素材へのこだわりは他に類を見ません。 看板モデルである「180 ローファー」は、1946年の誕生以来、デザインが一切変わっていません。流行に左右されず、自分たちが信じる「形」を何十年も守り続ける。その頑固なまでの姿勢が、高い信頼に繋がっています。


2. デザインと汎用性:どこまで「オンオフ」で使えるか

一生モノとして選ぶなら、どんな服にも馴染む「懐の深さ」が重要です。

  • Alden 99361:カジュアルの格上げ役 コードバンの放つ圧倒的な存在感は、デニムや軍パンを合わせた時に一番輝きます。以前[こちらの記事]でも触れましたが、BEAMS別注などの文脈もあり、日本のアメカジスタイルには欠かせない一足です。
  • C&J キャベンディッシュ2:ドレスアップの相棒 タッセルがあることで、シンプルなジャケパンスタイルに華を添えてくれます。イギリス靴らしい端正な顔立ちなので、少し崩したビジネススタイルにはこれ以上ない選択です。[こちらの記事]でも書いた通り、安心感が違います。
  • J.M. WESTON 180:究極の中庸 とにかくシンプル。[こちらの記事]でも書いた通り、派手さはありませんが、だからこそ合わせる服を選びません。平日のスラックスから、休日のショートパンツまで。これほどまでに「オンオフの境目」を感じさせない靴は他にないと感じています。
Alden 99361 ※筆者私物
C&J キャベンディッシュ2 ※筆者私物
J.M. WESTON 180 ※筆者私物

3. 実用性とメンテナンス:30年後も履き続けるために

長く付き合う上で避けて通れないのが、手入れと雨への対応です。

素材の面で見ると、Alden99361はどうしても雨に気を遣います。反対に、180とキャベンディッシュ2に使われているカーフは、しっかり手入れをすれば、かつ、小雨程度であれば、雨の日でも安心して履き出せます。

特に180のボックスカーフは、厚みがあって非常にタフです。最初は「修行」と呼ばれるほどのタイトフィットを乗り越える必要がありますが、それを越えた先の馴染み方は、まさに「自分だけの一足」になっていく感覚を味わえます。


4. 考察:なぜ最後は「180」に落ち着くのか

正直なところ、この3足に優劣はありません。どの靴も、それぞれの国を代表する素晴らしい完成度を誇っています。

99361の鈍い光沢には毎日惚れ惚れしますし、キャベンディッシュ2を履くと背筋が伸びる思いがします。それぞれが日常に彩りを与えてくれる、最高の相棒です。

ただ、もし「たった一足だけを選んで、30年後の自分に残すとしたら?」と聞かれたら、私はJ.M. WESTON 180を挙げます。

それは180が一番優れているからではなく、一番「普通」でいられるから。 年齢を重ね、服の好みが変わっても、この靴だけは変わらずにコーディネートへ自然に馴染んでくれる。そんな「飽きのこない普通さ」にこそ、一生モノとしての本当の価値があると感じています。


J.M. WESTON 180 ※筆者私物
J.M. WESTON 180 ※筆者私物

5. まとめ

靴選びに正解はありません。自分のライフスタイルや、何を大切にしたいかで選ぶのが一番です。

  • アメリカンな無骨さと素材の経年変化を楽しみたいなら「Alden 99361」
  • 英国の品格とドレスシーンでの華やかさを求めるなら「C&J キャベンディッシュ2」
  • どんな時も寄り添ってくれる、究極のスタンダードなら「J.M. WESTON 180」

皆さんは、30年後の自分にどの一足を履かせてあげたいですか?


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この記事を書いた人

新社会人で革靴の魅力に触れて以来、歴11年。 ジョンロブ、J.M. WESTON、オールデン、トリッカーズ、クロケット&ジョーンズからリーガルまで、多様な名作を自らの足で確かめてきました。時間をかけて馴染ませた実体験をもとに、カタログスペックでは語れない「靴の本質」を綴ります

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