Alden 404 レビュー|インディ・ジョーンズが愛したブーツと、クドゥーレザーの強靭な魅力。

筆者の靴棚において、唯一コードバンではないAldenがあります。それが、通称インディ・ブーツと呼ばれるAlden 404です。

コードバンの艶やかな美しさは確かに格別ですが、この404が放つ「道具としての凄み」は、他では決して味わえません。映画のスクリーンを駆け抜けたロマンと、アフリカの大地を生き抜いたクドゥー。それらが合わさった、この類まれなるブーツの価値を紐解きます。

巨匠が愛した「405」の血統と、ハリソン・フォードの執念

「インディ・ブーツ」という愛称には、靴好きなら胸が熱くなる裏話があります。

映画『インディ・ジョーンズ』の撮影時、衣装担当が用意したブーツは別にありました。しかし、主演のハリソン・フォードはそれを拒否します。彼が「その靴では映画が成立しない」と言い切り、自ら持ち込んだ私物こそが、Aldenのワークブーツ(405)だったのです。

劇中で使用されたのはブラウンカーフの405ですが、今回紹介する404は、その意匠を受け継ぎつつ、さらに過酷な「実戦」を想定して素材をブラッシュアップしたモデルです。

オールデン404 ※筆者私物
オールデン404 ※筆者私物

英国の名門が仕立てる、野生の証「クドゥーレザー」

404の最大のアイデンティティは、アッパーに使用されたKudu(クドゥー)レザーにあります。 クドゥーとは、アフリカのサバンナを駆け巡る、捩じれた角を持つウシ科の動物。野生で育つため、その皮には生きていた頃に付いた傷やムラが、あえてそのまま残されています。

これを手がけるのは、英国屈指の名門タンナー「チャールズ・F・ステッド社(Charles F. Stead)」。彼らの伝統的な鞣し技術によって、クドゥーは「牛革の堅牢さ」と「カシミアのような柔らかさ」という、相反する性質を同時に備えることとなります。

オイルを限界まで含ませたその質感は、驚くほどしなやか。そして、表面に刻まれた無数の傷こそが、本物の野生を生きた証。磨き上げられた均一な美しさとは対照的な、唯一無二の「個体差」という贅沢がここにあります。

悪路を制する、ラグソールと安定感

404は、そのソール仕様も「冒険」に特化しています。 定番の405がコルクソールであるのに対し、404は無骨なトラクション・トレッド・ソール(ラグソール)を装備。泥道や砂利道、あるいは軽い登山やハイキングといった悪路において、圧倒的なグリップ力を発揮します。

Aldenの中でも足入れが楽で安定すると言われる「トゥルーバランスラスト」との相性も抜群。旅行先でどれだけ歩いても、この靴が根を上げることはありません。水溜りを避けず、天候を気にせず、ただ目的地を目指して歩を進める。そんな「自由」を、この靴は与えてくれます。

※ただし、本格的なトレッキングシューズと比べるとアウトドアに特化した機能は劣るため、本格的な登山、雪山遠征時等には専用靴をご使用ください。

オールデン404 登山後
オールデン404 雪山にて
オールデン404 雨の日にて(白川郷)

結び:30年後のエースへ

コードバンを履くときに感じる緊張感も良いものですが、この404がくれる「どこへでも行ける」という安心感は格別です。

傷がつくことをいちいち気にせず、むしろそれも旅の記録くらいに考えラフに履き倒す。登板を重ねるうちに、この靴はより自分の足に馴染み、道具としての深みが増していくのだと感じています。

また、ジーンズ等との相性が良く、街履き等の幅広いシーンにて活躍してくれるところも頼もしい一足です。

今はまだ、あらゆるシーンでガシガシと使い込んでいる最中です。30年後、使い込まれてボロボロになったこのブーツを眺めながら、これまでの道のりを思い返すのが今から楽しみです。気負わずに付き合える「ワーク靴」として、これからも気長に、大切に育てていこうと思います。

オールデン404✖️リーバイス501
オールデン404✖️A.P.C

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この記事を書いた人

新社会人で革靴の魅力に触れて以来、歴11年。 ジョンロブ、J.M. WESTON、オールデン、トリッカーズ、クロケット&ジョーンズからリーガルまで、多様な名作を自らの足で確かめてきました。時間をかけて馴染ませた実体験をもとに、カタログスペックでは語れない「靴の本質」を綴ります

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